白井健三さんは過去にかなり活躍されていたので、体操にあまり詳しくなくても、知っているという方も多いと思います。
そんな白井健三さんが、2021年6月16日に現役の引退を発表しました。
体操の白井健三が引退って早くない?
— 茶畑警部 (@faiz_sb555p) June 16, 2021
白井健三まじかよ
— とーぐ✌️ (@tog2429) June 16, 2021
この引退発表した2021年現在、白井健三さんは24歳なので、まだまだこれからの活躍が期待されていました。
有名な内村航平選手なんかは、白井健三さんの8歳上になるので、体操選手の寿命としても、全く問題はない年齢ということになります。
そのような若さでの引退、そして過去の活躍が印象的だったが故に、「なぜこんなにも早く引退するんだろう」という疑問も生まれてきますよね。
今回の記事ではその引退理由について、深掘りしていきたいと思います。
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白井健三の引退理由3つ!
体操・白井健三が引退 両親に言い出せなかった「最後」 https://t.co/Pj2ioJMXrx
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) June 16, 2021
こちらは引退会見の時の写真ですが、とても清々しい笑顔なのが印象的ですよね!
実際に白井健三さんは、「選手としての未練は1つもない状態で今日を迎えられた」ということを話していました。
しかし、その一方でかなりの苦悩を味わってきたのもまた事実です。
過去の事実をもとに、白井健三さんの引退理由について、大きく3つのポイントで解説していきます。
引退理由1)2度の怪我
白井健三さんは過去には華々しい成績を残しています。
2013年:当時高校2年生(17歳)だった白井健三さんはひねり技で床運動の世界王者になる。日本の体操史上最年少の金メダリスト。
2016年:リオ五輪男子団体で金メダルを獲得しました。
そして、ご自身の名前から命名された「シライ」という技も誕生しました。
これは記憶にも新しいと思います。
そこからメディアにもかなり露出するようになり、「日本の期待の新人」として、非常うに注目を集めていました。
しかし、その後2度の怪我に悩まされていたようです。
2019年2月:左足首を痛め走れなくなる
2019年8月:左肩を亜脱臼
この怪我によって、世界選手権大会の代表から落選してしまうという苦い想いも経験しました。
かなりの期待がかかっていただけに、相当な悔しさがあったはずです。
当時はこんなことを話しています↓
そして、2021年6月上旬に行われた「体操・全日本種目別選手権」でも結果がふるわず、東京五輪の内定を掴むこともできませんでした。
度重なる怪我によって、自分の思い描くプレーができなくなってしまったのです。
引退理由2)過度なプレッシャー
さらに、白井健三さんは日本大学を卒業すると、2019年の春から大学院に進学しています。
進学した理由は「東京オリンピックまで練習環境を変えたくないから」というものでしたが、実際にそう簡単にはいかなかったそうです。
白井健三さんはこんなことを思うようになっていきました↓
と考えてしまい、思うように練習ができなくなっていったそうです。
きっと後輩からしたら「白井さん!そんなこと気にせず練習してくださいよ!」と思っていたかもしれません。
しかし、白井健三さんは、周りの反応が気になってしまったそうです。
監督からも「自分次第だし、遠慮しなくていいんだぞ」と言われたのですが、そこに変化はなかったそうです。
さらには、内村航平選手からも事実上の後継者指名を受けていて、かなりのプレッシャーに感じていたのかもしれません。
実際に男子総合で優勝したリオ五輪の前年に、内村選手は以下のようにインタビューで答えています↓
ずっと日本の体操を背負ってきた内村航平選手に、このように言われるということは、かなりの期待と同時に、相当なプレッシャーがあったはずです。
おそらくですが、高校2年生で大活躍をしてから、徐々にこの感じる圧力が大きくなっていったのではないでしょうか。
引退理由3)五輪への考え方の変化
白井健三さんは、過去の華々しい結果を出したことで、幸か不幸か大きなものを背負ってしまいました。
そして、そこで感じていたのは、「過去の自分と今の自分のギャップ」で、かなり苦しんでしまったんです。
こんなことを白井健三さんは語っています↓
たしかに、体操に限らずアスリートにとっては、「五輪」はかなり特別な舞台ですよね。
きっとそれは出場した人や、本気で目指したことがある人にしかわからない、大切な場所なのです。
ただ、よりによって、その「五輪」や、過去の「自分自身」が、白井健三さんの大きな足かせとなってしまっていました。
この状態はかなり苦しかったと思います。
しかし、今回の引退発表では以下のように話しているんです↓
ただ「世界選手権金メダリストとか、それにすがっていても何も解決しない。過去の自分はもういない。レベルが上がっている今の日本を、素直に受け止めて、何をすればいいか考え出して、すごく楽になった。今回は自分の演技ができた。幸せです。すごく清々しい」と吹っ切れた様子で話し、今後については「何も考えていない」としていた。
〈引用先〉https://news.yahoo.co.jp/articles/5c1c44b9782dfac4760f4e92825521ce6b3a6156
きっとご自身の中でもかなり悩まれたと思います。
ただ、この言葉をみる限りでは、その中でも自分なりの答えを導き出し、そこに納得している様子が伺えます。
このように自分で自分の想いを分析して、そこを整理することができたことで、「引退する」ということに踏ん切りをつけられたのだと思います。
このような思い切った決断は、やはり日本を背負って世界で戦った経験がある白井健三さんの強さなのではないでしょうか。
白井健三の今後は日大の指導者として活動
白井健三さんは、実はすでに日体大の男子コーチとして活動をしているんだとか!
ただここで改めて、現在の状況と今後の想いなどについてまとめてみました↓
・2021年現在は日体大の助教授
・これからも大学に貢献していきたい
・後輩や年下の学生に貴重な経験を伝えていきたい
以上のことから、白井健三さんは「体操の指導者」として、これからも活動を継続していくということでした。
そんな白井健三さんは、コーチとしての想いを以下のように話しています↓
この「自分のことを自分で判断できる選手を増やしていきたい」という言葉にが、とても印象的でした。
おそらく、自分自身が「五輪」という大きなプレッシャー、周りからの期待などを背負っていたために、きっと上手くいかなかった経験もあるのだと思います。
また、先ほども少し触れましたが、実は白井健三さんは、自分の名前がついている技を持っています。
それも、床運動で3つ、跳馬で3つなので、合計6つにも及ぶんです。その技の名前は「シライ」ですが、その継承者も育てていくと言います↓
これから、白井健三さんのもとで一体どんな選手が育っていくのか、楽しみですよね!
次世代のスターが誕生する可能性は大いにありますし、白井健三さんだからこそできる指導がたくさんあると思います。
今後の動向には大注目です!
白井健三の主な戦績まとめ
最後に白井健三さんの過去の素晴らしい成績を掲載します!
これだけみていても、日本の体操界にかなりの影響を与えたことがわかりますね。
・2013年
全日本ジュニア選手権 個人総合/3位
全日本種目別選手権 ゆか/1位
全国高校総合体育大会 個人総合/3位
世界選手権 ゆか/1位、跳馬/4位
豊田国際 ゆか/1位
・2014年
全国高校選抜選手権 個人総合/3位
全日本ジュニア選手権 個人総合/1位
全日本種目別選手権 ゆか/1位
全国高校総合体育大会 個人総合/2位
カタール国際 ゆか/1位、跳馬/3位
世界選手権 団体/2位、ゆか/2位、跳馬/4位
豊田国際 ゆか/4位、跳馬/2位
2015年
全日本種目別選手権 ゆか/1位、跳馬/5位
全日本学生選手権 個人総合/3位
全日本団体選手権 団体/1位
コトブス国際 ゆか/1位、跳馬/1位、平行棒/6位
世界選手権 団体/1位、ゆか/1位
アジア選手権 団体/1位、ゆか/1位、跳馬/2位
豊田国際 ゆか/1位、跳馬/1位
・2016年
全日本個人選手権 個人総合/2位
NHK杯 個人総合/5位
アゼルバイジャン国際 ゆか/1位、跳馬/1位、平行棒/4位
全日本種目別選手権 ゆか/1位、跳馬/5位
〈引用先〉https://www.ssu.co.jp/service/ssupeople/kenzo_shirai/
今回の記事のまとめ
最後までお読みいただきありがとうございました!!
白井健三さんが引退してしまうことは寂しい気持ちもありますが、ここまで日本を背負って戦ってきたその姿はとても感動しました。
東京五輪も惜しくも叶いませんでしたが、白井健三さんが最後の会見での笑顔が見れて、とても良かった思います。
現役時代には辛いことがたくさんあったと想像できますが、いったんはゆっくり休んで、是非また体操界を盛り上げてほしいですね(^^)
これからも応援しています!